日本では、文字を「ゴシック体」「明朝体」「筆書体」「デザイン書体」の4つの大枠で分けることができます。今回は、その中でも特に日常的によく目にするゴシック体と明朝体について、どんなちがいがあるのかや、特徴、使われる場所まで解説していきます!
ゴシック体と明朝体のちがい
まず、ゴシック体と明朝体のちがいについてです。
ゴシック体は、書体の横線と縦線の太さがほぼ同じで、うろこと呼ばれる三角形の山がありません。
明朝体は、書体の太さに強弱があり、うろこがあります。
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ゴシック体とは
ゴシック体とは、書体の横線と縦線の太さがほぼ同じで、うろこと呼ばれる三角形の山がない書体のことです。
そんなゴシック体の中にも、いくつかの種類分けがあり、端が角ばっているものは角ゴシック、端が丸まっているものは丸ゴシックとよばれます。
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使い分けとしては、かっちりとした真面目な印象にしたいときは「角ゴシック」が、親しみやすさや可愛らしさを出したいときは「丸ゴシック」がおすすめです。
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ゴシック体の特徴と使用するおすすめの場所
ゴシック体は、文字の太さが均一なため、遠くから見ても読みやすく、視認性が高いです。
その為、看板やポスターなど、離れたところからも読んでもらいたい媒体でよく使用されます。
また、PCやスマホなどのディスプレイで使用する書体もゴシック体がおすすめです。
ディスプレイで明朝体を使うと、文字の細い部分が潰れてしまい、本来の形で表示されずに読みにくくなっていしまうことがあります。
遠くから文字を読んでもらう必要のあるプレゼン資料などはゴシック体で作成した方が無難です。
◯ 看板
◯ ポスター
◯ 見出し
◯ プレゼン資料
文字の太さと印象
同じゴシック体でも文字の太さによって与える印象がガラリと変わります。
細いゴシック体は、「繊細さ」「か弱さ」「女性的」「シンプル」といった印象、一方、太いゴシック体は、「力強さ」「アクティブ」「男性的」「インパクト」などの印象を与えます。
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明朝体とは
明朝体とは、書体の太さに強弱があり、うろこがある書体のことです。
はねやはらいなどの要素もあるため、ゴシック体と比べて動きがあります。
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明朝体の特徴と使用するおすすめの場所
明朝体は文字の形に動きがあるので、小さくなっても読みやすく、可読性が高いです。
その為、教科書や新聞など文字が小さく長文になる媒体でよく使用されます。
◯ 教科書
◯ 新聞
◯ 書籍
◯ 長い文章
文字の太さと印象
明朝体も太さを変えれば、読み手に与える印象も変わります。
細い明朝体は、「可憐」「上品」「女性的」「繊細」といった印象、一方、太い明朝体は、「力強い」「古典的」「男性的」「信頼感」などの印象を与えます。
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欧文書体でいうゴシック体と明朝体とは
欧文書体は、主に「セリフ体 (ローマン体) 」「サンセリフ体 」「スクリプト体 」「デザイン書体」の4つの大枠で分けることができます。
欧文書体でいうゴシック体はサンセリフ体を指します。
サンセリフ体とは、セリフと呼ばれる装飾的な要素がない書体です。
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“サン(sans)”とは、フランス語で「~のない」という意味を持ちます
一方、欧文書体でいう明朝体はセリフ体を指します。
セリフ体(ローマン体)とは、端にセリフと呼ばれる線状または長方形状の装飾がついている書体です。
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先程、長文の場合は明朝体がおすすめとの話をしましたが、欧文でも長文にはセリフ体の使用がおすすめです。太さが均一なセリフ体よりも、線に強弱のあるセリフ体の方が一文字一文字を認識しやすいです。(この時、セリフ体でも太いセリフ体を使ってしまうと可読性が落ちてしまうのでNGです)
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まとめ
◯ ゴシック体と明朝体のちがいは、うろこがあるかどうか、書体の横線と縦線の太さが均一かどうか
◯ ゴシック体は視認性が高い
◯ 明朝体は可読性が高い
◯ 文字の太さによって印象が変わる
◯ 欧文書体のゴシック体はサンセリフ体
◯ 欧文書体の明朝体はセリフ体
今回は日常で特に目にする機会の多い、ゴシック体と明朝体のちがいから、特徴、使われる場所まで解説しました!
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